84.C調言葉に御用心:サザンオールスターズ (1979)
アルバム タイニイ・バブルスより
- アーティスト: サザンオールスターズ
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2008/12/03
- メディア: CD
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アルバムは1980年ですが、この曲がシングルカットされたのは1979年でした(^^)
以前のブログで、日本のロックの走りは吉田拓郎とサディスティック・ミカ・バンドだと、かなり個人的な見解を書きましたが、始動した日本のロックを大幅に発展させたのがこのバンド というか桑田佳祐だと思っています。
勝手にシンドバッドが発売された当時、残念ながら私は曲の革新性が理解できず、コミックバンドだと思っており、いとしのエリーも誰か優れた作家が裏で書いだだろう 位に思っていました。
しかし、この曲を聴いたときに、うわっ このバンドというかこの人は凄いと思いました。こんなメロディーは今まで洋楽も含めて聴いたことないし、それ以上に凄まじのはその歌詞。勝手にシンドバッドの時は単なるメチャクチャな歌詞だと不覚にも思ってしまいましたが、ロックのリズムに日本語をカッコよく乗せており、なおかつ言っていることも雰囲気として理解できました。今では誰も言いませんが、私が若かった頃は、「日本語はロックにできるか?」とか本気で議論されてました。日本語ロックの創始者もいろいろ言われていましたが、1人挙げるとすれば私はこの人だと思っています。
いろいろ革新的なことをしていながら、この曲も表面的には不埒感覚を前面に押し出しており、今聴くとまさにプロの仕事だなと思います。今年40周年というとで、先日放送していたNHKのライブもすばらしかった。是非これからも不埒感を維持して頂きたいと思います。
83.21st Century Schizoid Man:King Crimson(1969)
King Crimsonデビュー・アルバムの一曲目。
In the Court of the Crimson King
- アーティスト: King Crimson
- 出版社/メーカー: Discipline Us
- 発売日: 2005/02/22
- メディア: CD
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聴いた初回から、頭を殴られたような衝撃を受けたRockの曲がいくつかあります。私の場合、BeatlesのA Day in the LifeやBeach Boysのいくつかの曲と、そしてこの曲です。
ジャケットのインパクトもSgt.と競っていますが、一曲目にこれがくるとホント 参りますね。
スタート、なんか得体の知れない音が小さい音量で入っているので、なんだろう と耳を澄ましていると、あの有名・重厚なリフです。あまりの重さに押し潰されそうですが、そこにドラムが3連で入ってきて、初めて接した耳はすでにパラノイア状態。
畳み掛けるように、ファズがかかってまさに気が触れたようなボーカルと、4分で不気味にコードを刻むギター。なんじゃこれは!
リフ→歌→リフのあと、新たなリフ。リズム ジャズっぽいですが、ロック少年はこんはリズム聴いたことありません。さらにそこにギターソロ。なんじゃこれは!! ペンタトニックしか知らない耳には、メチャクチャ弾いているようにしか聴こえない。その後には、両耳別々にへんな音(sax)のソロ。
そして極め付けは変拍子のユニゾン。Yesとかで変拍子はちょっとは聴いていたが、もうこの辺で初めての耳はついていけなくなりますが、でも意識はどんどん音楽に入ろうとしていく。
そして狂気のエンディング。この衝撃度もA Day in the Lifeレベル。
ひょっとしてロバート・フィリップ、Beatlesを超えてやろうと、この曲つくったのかしら。
82.Tangled Up in Blue:Bob Dylan (1975)
アルバム Blood on the Tracksから
60年代を突っ走ったディランが事故で一旦引っ込み、70年代に入って大復活を遂げたアルバムです。
この曲はアルバムの一曲目に入っているのですが、今でも「アルバムのスタート」という感じで聴いてしまいます。割と大人しめの生ギターから、ディランがこれもゆっくりと語り出すように歌いだします。
しかしこの曲が素晴らしいのは、こんな大人しいスタートだったことを全く忘れてしまうほど、ディランがボーカルだけでバンドを引っ張り、どんどん盛り上がっていくことです。普通はサビとか、間奏とかを挟んで煽っていくものですが、一切ありません。まあ ディランの王道なんですが、これって強力なボーカル力があってこそですね。
しかも、歌詞は視点がいろいろ変わって時間軸がよく分からない、(それが「ブルーにこんがらがって」なのかもしれませんが)、でも聴き終わったあとは、よく言われるようにまるでいい映画を見終わったような気分。
この、ボーカルがバンドを引っ張っていく感じって、未だに唯一無二だと個人的に思います。
81.Summertime Blues:The Who (1970)
ライブアルバム Live at Leedsより
The Whoのライブというと、マイクぶん回したり、ギター放り投げたり、ドラム蹴倒したりとメチャクチャなイメージしかありません。このライブもThe Who絶頂期のものですが、演奏は激しいけどガッチリしているし、音も良く、1970年のライブとは信じられません。
とくにこの Summertime Bluesは、確かシングルカットもされていると思いますが、演奏がホントによく纏まっていて、「後から被せたんでは?」と失礼なことを考えてしまうほどです。
それにしても、やはり キース・ムーンのドラムはすごい!! この人、叩き方の見た目が物凄く、ライブを見ているとどうしても視覚的に持っていかれてしまいますが、こうやって音だけを聴いていると、凄まじい演奏ながら音の粒が揃っていて、予想外に正確です。まあ、プロなんだから当たり前と言われればそうなんですが、私的には驚愕です。
天国でロック スーパーバンドが結成されるとしたら、ドラマーはこの人か ジョン・ボーナムですね。(超個人的意見)
80.春だったね’73:吉田拓郎 (1973)
よしだたくろうLIVE’73の一曲目。
以前このブログで「サディスティック・ミカ・バンドが日本のロックのはしり」と書きましたが、本当の走りはこの人だと思います。生まれて初めて買ったLPも、この人のです。
でてきた頃は、フォーク・シンガーと呼ばれていましたが、そんな枠に収まらず、ロック・バンドとブラスをバックに、このライブでガンガン行きます。ボブ・ディランっぽいですね。
春だったね は、私が生まれて初めて買ったLP「元気です。」の一曲目でもあります。初めて聴いたとき、曲や拓郎のかっこよさにぶっ飛びました。このライブでは、バックがさらにロックぽくなっており、完全のロックのライブ・アルバムです。
きれきれのギター(何と高中!)とブラスに導かれて御大登場。ボーカルの音量が若干低い気がしますが、これも意図的でしょうか。スタートを抑えめに歌う拓郎(緊張?)も、カッコいいです。ちなみに、ボーカルはだんだんヒートアップしていき、最後の「望みを捨てろ」は、ほとんどがなっているだけ(笑)
なんとなく、感覚的な話ですが、この人が 日本で歌謡曲ではない売れる音楽を作って演った、最初の人だと思っています。
79.I’m a Camera:Mark Jordan (1979)
アルバム Blue Desertから
Blue Desert by Marc Jordan (2010-08-25)
- アーティスト: Marc Jordan
- 出版社/メーカー: Indie Europe/Zoom
- 発売日: 2010/08/25
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このブログを始めたときから Airplayというバンドについて書きたかったんですが、残念ながらこのバンド、唯一のアルバムをだしたのが1980年なんです。まあ80年代のアルバムを紹介したからと言って誰かに怒られる訳ではないんですが、なんか約束を破るみたいで、避けてました。
で、先日、同じJay Graydonがプロデュースしたこのアルバムを思い出し、これも80年代だと思ったらなんと79年だったので今回ご紹介することにしました。
この曲は学生時代から何十回も聴きましたが、実はこの Mark Jordanというアーティストのことはほとんど何もしりません。じゃー何を聴いているのかというと、Jay Graydonのギターです。
曲の始まりは当時流行りのAOR。ふんふん オシャレだねと気を抜いて聴いていると、中間のギターソロで景色が一変します。蕾ばかりでしかも枯れかかっていた花瓶の花束が、急に息を吹き返して咲きだしたよう。このギターの音・フレーズはどうでしよう。
しかしこの間奏はまだ序章でした。地味なボーカル(失礼!)に戻り、女性ボーカルとの掛け合いで若干盛り上がったあと、「どけー」という感じで、もう一回ギターソロ。こんなに主役を喰ってしまっていいんだろうかとほんの一瞬だけ心配になりますが、さらなる高みに向かうソロで昇天します。ソロの最後でチョーキングダウンの繰り返しで、ヒューんと音が下がっていく部分がありますが、そんなアイディアも含めて、何回でも聴きたいギターソロです。
78.In The Flesh?:Pink Floyd(1979)
アルバム The Wallの一曲目
Wall (Remastered Discovery Edition)
- アーティスト: Pink Floyd
- 出版社/メーカー: Parlophone (Wea)
- 発売日: 2011/09/26
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最初の変な音楽は、アルバムの1番最後から繋がっています。その話は置いておいて、いきなり始まるこの重い音は何なんでしょう。凡百のハードロックバンドを蹴散らす重さです。マジでツェッペリンに比肩する重さです。いつものもたり気味のドラムも貢献していますが、やはりギルモアのギターですよね。フレーズも音もロックし過ぎ。
そして、ロジャー・ウォーターズのいっちゃっているボーカルです。ロジャーがいなくなってからも、ギルモアのボーカルでPink Floydは存続しましたが、やはりギルモアのギターと共にこのボーカルがないと。。
コーラスに続いて、早くも曲はクライマックス。飛行機の音がだんだん大きくなってきて、ロジャーの気狂いの叫び、飛行機の墜落?、そして最後は赤ちゃんの泣き声のみ。。鳥肌というか、この曲だけでこちらもおかしくなっちゃいます。
所謂ロックオペラって、Tommyとかいろいらありますが、私が知っている範囲で感動できたのはこの The Wallだけです。最初に聴いた時は感動というか、呆然としました。音だけでこんな凄いんですから、ステージは凄まじかったことでしょう。
Pink Floyd版は未だ映像化されていないと思いますが、ベルリンの壁崩壊の時の、ロジャー単独のステージもすごかった。ステージの最初に、スーツ着たおっさんが注意事項みたいのを述べてるんですが、その最中に火花と共にこの曲が始まり、曲の最後には飛行機がステージに突っ込んでくるという。。
あー またアルバム通して聴いてしまいそうです。