53.All The Young Dudes:Mott The Hoople (1972)
アルバム All The Young Dudesより
この曲はアルバムに入っている他の曲とちょっと毛色が違います。他の曲は基本ブリティッシュ・ロックですが、これは売れ線を狙いにいってます。でも、強力なボーカルのイアン・ハンターは、曲を作ったボウイになったり、ディランぽくなったりして、この曲を歌い切ります。
一度聴いたら忘れられないイアンのボーカルはとても個性的でありながら、アルバムのなかでもミック・ジャガーにもなったり、ルー・リードにもなったり、本当に器用なボーカリストだと思います。
YouTubeでみる映像はかなり不埒な感じ、でもしっかりブリティッシュな音で、大好きなバンドです。
52.Don’t Throw Your Love On Me So Strong: Mike Bloomfield & Al Kooper (1969)
アルバム フィルモアの奇跡 から
Live Adventures of Mike Bloomfield & Al Kooper
- アーティスト: Al Kooper & Mike Bloomfield
- 出版社/メーカー: Columbia/Legacy Euro
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アルバム全編にわたって、ほとんどブルースです。二枚組でここまで続くと飽きそうなものですが、聴いていられます。
なぜかと考えると、やはり先ずはブルームフィールドのギターでしょうか。前回のブログで「同じフレーズを繰り返すソロ」という話をしましたが、この人のソロはその対局にあり、零れ落ちるようにフレーズが展開していきます。
存在感のある音色 および曲調の変化をとらえたニュアンスでまくり(?)のギターは本当に素晴らしい。
さらに、アル・クーパー。私 実はあまりキーボードってきちんと聴いていないですが、ギターソロのバックて、押してけしかけたり、スッと潮が引くように引いていく この演奏も素晴らしい。
2人の天才が力を出し切っているので、ずっと聴かれ続けているんだと思います。
51.Freebird:Lynyrd Skynyrd (1973)
Lynyrd Skynyrdのファーストアルバムから
アメリカ南部のバンドですが、この曲はいわゆるサザン・ロックとはちょっと違う趣です。
まずイントロのスライドギター、シンプルだけどいい感じです。ジミヘンのLittle Wingのギターソロのような味のあるフレーズ。
ポーカルも素朴で自然に体に入ってきます。フレーズはBlind Faithの曲に似ているような気がしなくもありませんが。。
そして必殺のギターソロ。個人的には同じフレーズを繰り返すソロはあまり好きでは無いのですが、そんな小さい好き嫌いを吹き飛ばすような、もの凄い迫力のソロ。いつまでも聴いていられる気がします。
㊿Black Dog:Led Zeppelin (1971)
ツェッペリンの4枚目のアルバムの一曲目
実はこのブログを始めた時に、1曲目はビートルズ、50曲目はツェッペリンと決めていました。まぁ 大好きということです。
アルバムの最初、奇妙な音のあと必殺 ロバート・プラントのアカペラ それに続く3人のユニゾン もうこれだけでダメ。 なんていう音の塊なんでしょう。
このツェッペリンの音の塊感って、どこから来るんでしょう? 2007年にボンゾの息子がドラムをやって一回だけ再結成しました。とても良くて涙ものでしたが、でもやはり違う。あの時の4人が揃った時だけ起こるマジックなんですね。
この曲にしたって、ジミー・ペイジのリフが途中走っているように聴こえますが(わざと??)、でもこの塊感・重量感になんの影響もない。最後にギター・ソロもありますが、ソロのフレーズなんて聴いている余裕はない。あくまでツェッペリンという音の塊(しつこい)を最初から最後まで聴いているだけです。
音楽を聴いていて、たまに遠い世界にトリップしてしまう瞬間がありますが、私にとってその回数が圧倒的に多いのはツェッペリンです。
無人島に1枚だけ持っていくのは、ビートルズではなくツェッペリンかもしれません。
㊾Sound Of Silence:Simon&Garfunkel (1966)
アルバム Sound Of Silenceから
こういったデュオって、どうしてもフォークソングというかなんか地味な感じになりますが、このグループはなぜか違います。
都会的というか、思索的。
何故なんだろうとずっと考えていました。声質?曲調?
このふたりでしかあり得ない独特な感情、表情だと思います。
フォークデュオなのに、ニューヨークを感じさせる透明感。でも、ロンドンでもLAでもなくサンフランシスコでない。
この二人の曲を聴いていると無性にニューヨークで朝食を食べたくなります。
㊽Squib Cakes:Tower Of Power (1974)
Tower Of Powerのアルバム、Back To Oaklandから
この曲はインストなんですが、乗りが凄まじいです。
まずこのバンドの特長である、バリトンサックスを効かせたテーマです。最初から16ビートのうねりまくりのリズム。
クライマックスは、キーボードソロ。ソロ中盤頃からリズム隊が半端なくうねり始め、そこに必殺のホーンが入ってくる瞬間はまさに昇天。
このアルバムに入っている曲は、アップテンポな曲はみんなノリが抜群だし、バラードも全ていい曲で、とても良くできたアルバムだと思います。
㊼Beck's Bolero:Jeff Beck Group (1968)
アルバム Truthから
このアルバムは、ボーカルがロッド・スチュワート、なんとベースがロン・ウッドという凄いメンバーでつくられました。ロッドとベックがうまく噛み合い、リズム隊もがっちりしています。
が、この曲だけはスタートからして他の曲とは様相が違い、ギターが同じフレーズを弾き続けますが、何かただならぬ感じで盛り上がっていきます。
そしてクライマックスは、誰かの「うわぁー」という叫びと、それに引き続く凄まじすぎてよく聞き取れない、キース・ムーンといわれているドラム。
この曲だけ異様な盛り上がりで、あっという間に終わってしまいます。なんだこの、ワンパターンでひたすら盛り上がる曲は??
あっボレロか、なるほど と後から気づく始末です。