95.Right Off:Miles Davis (1971)
A Tribute to Jack Johnsonより
Miles DavisといえばJazzの帝王ですが、このアルバムのこの曲は断じてRockです。まずは、このジャケット、かっいいです。このジャケット見ただけで、どんな音か聞いてみたくなりますよね。
この曲、なんと27分近くあります。しかも曲の殆どをワンパターンのリズムで貫き通すという凄まじさ。所謂Rockでも、長いインプロビゼーションの曲はありますが、普通 さすがに飽きられるのを恐れて、リフをいれたり、決めをいれたりしますが、性根が座ったMilesはそんなことしません。ワンリズム、ワンコードです。
例外は、10:43頃からでてくる、突然 洞穴に入ったかのようなブレイク。それから18:30頃のリズムパターンの変化と変態的なリフ。このリフ、きっとぶっつけでやったんだと思います。だってしばらくの間、Bassがついていけてないもん。
申し遅れましたが、ギターはあのJohn MaClaughlin! MaClaughlinは信じられないことに、ずーーっとカッティングをやっていて、ソロをとるのは曲の本当最後のほう。でも このギターは凄まじい。何が凄まじいかって、まず音です。ナイフのようなカッティングって、まさにこの曲のためにあるのかと。
そしてMiles。フレーズはいつものMiles、というか、Milesはどんな音楽のジャンルをやっても、自分の音楽に持って行ってしまいますよね。このアルバムで特筆すべきは、やはり音。意識が覚醒します。
最近、音楽配信に慣れてしまって、曲のパターンがわかったらすぐ飛ばしてしまいますが、なぜかこの曲は、いつまででも聴いていられる気がします。
94.Siberian Khatru:Yes (1972)
アルバム Close To The Edgeから
B面の2曲目、といってもB面は2曲目しか入っておらず、さらにA面は1曲だけ。
ちょっと話は変わりますが、最近 結構昔のLPが復活してきており、私もレコードプレーヤー買いましたが、昔LPで発表されたものは、やはりLPで聴くべき との感を強くしております。
言い古された話かもしれませんが、私の場合 たいした耳をもっていないので音質がどうこうということではなく、A面・B面の話です。つまり、LP作成時 アーティストは、当然A面を聴き終わったあとの「区切り・休憩」を必ず意識していると思うのです。例えばBeatlesのAbey Roadを聴いていたら、I want Youで一旦 終わって、新たな気分でHere Come The Sunを聴く訳です。この2曲を繋げて聴くというのは、私的にはピンときません。
さらに私の様に集中力が続かない人間には、LPの片面の時間というのは、集中力が持続する丁度良い長さです。CDで20曲弱を連続して というのは、かなり厳しいです。
ということを、レコード・プレーヤーを買い直して、改めて思いました(歳のせいも勿論あります)。CDだとついつい曲を飛ばしてしまいますが、LPの場合は飛ばすのがめんどくさいこともあって、大体きちんと最後まで聴きます。
一方で、Apple Musicにも登録しており、その恩恵は毎日受けております。昔「ちょっと聴いてみたいな」と思いながら、お金がなくて聴けなかったバントの音楽も、今はほとんど自由自在に聴けます。その有り難さは、筆舌に尽くしがたいです。
要は、音楽の聴き方も、多様性を認識する必要がでてきた、ということでしょうか。
Siberian Khatruがどこかに行ってしましました。たまには、こんな感じで。
CDでもっているアルバムを、またレコードで買い直したりしている自分を、正当化しているだけではないと信じて。
93.She Bang The Drums:The Stone Roses (1989)
1st album、The Stone Rosesの2曲目
Stone Roses (20th Anniversary Special)
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60〜70年代ではなく、80年代それも1989年のアルバムです。たまには、はみ出ます。
このバンド、本当に好きなんです。80年代以降で好きなロックバンドはrosesとoasis。結構ミーハーでひねりがないですが、やはり基本的にブリティッシュ・ロックが性に合うんですね。
で、この両バンドに共通しているのは、いろいろありますが、リードボーカルのカリスマ性でしょうか。でもrosesのIan Brownのように、歌が下手なのにカリスマ性があるというのは、なかなかないのではないでしょうか。
曲もいいし、バックもうまい。(ちなみにReniのドラムは本当に素晴らしい!) これでボーカルが上手いと、完璧になりすぎちゃうんでかね(失礼^ ^)。イギリスのBlackooolというところでやったLiveのDVDもってますが、なんか光るヨーヨー振りながら出てくるんですが、これが太々しくてカッコいいんです。oasisのLiamもライブでIan見てボーカリストになろうと思ったそうですよね。
そして、曲がPopでカッコいい。もっと続いていれば、Beatlesが切り開いた質の良いPopなRockの、正統な後継者になり得たと、本気で思っています。
The Stone Roses - She Bangs The Drums
92.Satisfaction:The Rolling Stones (1965)
The Rolling Stones - Singles Collection より
Singles Collection: The London Years
- アーティスト: The Rolling Stones
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この曲って、オリジナル・アルバムには収録されていないんでしたっけね? 以前 ご紹介した、Stonesで私が一番好きな、Honky Tonk Wonenもそうなんですよね、確か。
この曲って、Rockの象徴のような曲だと思うんです。
若い時の強い衝動って、
満足できない → I can’t get no satisfaction か
抱きしめたい → I wanna hold your hand
だと思うんですよね。
(あとは、寝ていたい → I’m only sleeping ??)
特に私の若い時のように、お金もないし、女性ともあまりお付き合いができなかった人間にとって、「今の気持ちを一言で」 といわれたら
"I can’t get no satisfaction"以外の何モノでもないんですよね。
しかもこの曲のMickは、最初から最後まで「満足できねぇ」と野暮に喚き散らすのではなく、ミョーに色っぽく入って、徐々に盛り上げていくことで(流石です)、女性ファンも獲得してしまうという。。
ところで今回、改めてこの曲を聴いていて、新たな発見を一点。この曲のスタジオ版に入っているタンバリンって、最初から最後までずーっと「タタタン」しか叩いていないんですね。それなのにこの効果! 感動してしまいました。
91.Something:The Beatles (1969)
アルバムAbbey Roadより
ジョージ・ハリスンの名作です。ジョージの曲って、ポールのような天才的な閃きという感じではなくて、なんか考え抜いた末という感じが個人的にはします。
印象的なギターリフのあと、すぐにボーカル。 もうここだけで、ちょー名曲の予感。続くサビも歌詞共々 泣けます。
ですが、私がこの曲で一番好きなのは、実はギターソロのところ。ジョージのギター、リンゴのドラム、ポールのベースに、(多分)ジョージ・マーティンのストリングス。すべての楽器が恋する切なさを奏でていて、本当に感動します。特にギターソロの継ぎ目に合いの手のように入るリンゴのタム。こういう歌うドラムって、どうしたら叩けるんでしょう?
全然別の話ですが、何年か前にポール・マッカートニーが来日して、コンサートを観に行った時。このSomethingを、ポールがウクレレで歌い出したんです。この曲がウクレレにあっているとはとても思えず、正直ちょっとがっかりしました。(やはりジョージのことは、ちょっと下にみているのかな とさえ思いました。)
ところが‼️ ギターソロに入った瞬間、完コピになり、しかもジョージの映像が映し出され、身体中から涙がでました。
しかも、ジョージは生前 ウクレレをよく弾いていたという話を聴き、さらに涙です。
「ごめんなさい、ポール」
90.I Want You,I Need You,I Love You:Elvis Presley (1956)
アルバム Elvis Presleyから
この曲はこのアルバムのボーナストラックに入っていたので、オリジナルには入っていないですね。また、ブログテーマに反して、1950年代の曲です(^^)
Elvisって、お恥ずかしながらあまり聴いていなくて、「Costelloか?」とか思ってしまう世代なんですが、まあロックをまがりなりにも語るには、挙げてみるべきだろうと思いました。
で、Elvisの知っている曲をいろいろ思い浮かべましたが、一番好きなのがこの曲だと思いつきました。一般的に有名というか、所謂Elvisっぽいのは、Hound Dogとか、アップテンポの曲なんでしょうが、私はmiddle〜slowテンポな曲が好きです。
極めて私見ですが、それまでの白人男性のポップス系バラードの曲って、ゆったりと歌い上げるというのが大半だったと思うんです。でもこの曲は、スローなのにも関わらず、Elvisが性急というか、まるでさかりがついたように歌っています。我慢できない という感じ。スローをこんな感じで歌い切るのって、意外と難しいのではないでしょうか。
因みに、「さかり」をグループで演ってさらにヒットさせたのがBeatlesだと、これも勝手に思っています。さらに因みに、AKBのヒット曲 ヘビー・ローテーションのサビの歌詞は、きっとこの曲からですよね。
89.Wonderful Tonight:Eric Clapton (1977)
アルバム Slowhandから
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このブログでClaptonは、CreamやBlind Faceしか紹介していないとに気づき、どの曲にしようかと考えた瞬間にすぐに思いついたのはこの曲でした。
Creamで弾きまくるClaptonが大好きだった昔の私は、その後の活動にはあまりピンとこず、所謂三大ギタリストではその他の2人ばかり聴いていました。461 Ocean Boulevardもあまり響かず、確かその次に出たのがこのSlowhandだったと思います。
一曲目のCocaineがまさにその頃のClaptonで、フンフンと軽く聞いていて二曲め。遠くの方からClaptonのゆったりしたギターが聴こえてきて、拍手、 あ ライブなんだ と聴いていると、曲の雰囲気にドンドン引き込まれていきました。ギターソロも音数は最小限でOver Driveもかかっていない だけどかっこいい。こういうゆったりした曲の真のカッコよさを感じさせてくれた曲でした。
何度か聴いていると、女性とパーティに行く前および行った後の歌だということも分かってきて、「カッコいい、こんな恋愛がしたい」などと思ったものでした。
結婚してうん十年たった今の耳で聴くと、また違った感想をもちますね。内容はナイショですが(^^)
Eric Clapton - Wonderful tonight