88. Venus and Mars/Rock Show/Jet :Wings(1976)
Wingsのライブ、Wings Over Americaより
大昔、まだ子供だった頃、テレビでこのWingsのライブをやっていて、魂をもっていかれました。そういえば同じ頃 Stonesのライブもやっていたことがあって、2大 魂をもっていかれライブ(?)でしたね。
ロックコンサートなのに意外に静かな始まりで、「えーっ こんな静かなまま終わっちゃうのか?」なんて思った記憶があります。今この曲を聴くと、心があの頃にもどって、何故かちょっと切なくなります。
ところが、突然Rock Showに繋がります。こちらの高揚感を見透かして、ギターがひたすら上昇するフレーズそしてポールのシャウト。サウンドは激しいけど、メロディはポップという、まさにビートリー。それにしても、こういう曲のPaul MacCartneyのボーカルって、ほんと凄まじいですね。
そして畳み掛けるようにブラスがはいってきて Jet。「u uu u〜 uu u〜 uu」のコーラスも新鮮。ちなみに私、リッケンバッカーを弾くポールの立ち姿って、大好きなんです。地球上で一番かっこいいベースの弾き方だと思っています。
ライブが終わった時点で90%は魂持っていかれましたが、残りの10%で、見たのがBeatlesではない寂しさを感じていました。「BlackbirdやYesterdayは、Beatlesの曲だ!」
Venus and Mars - Rock Show - Jet - Paul McCartney And Wings 1976 Remastered
87.Peg:Steely Dan (1977)
アルバム Ajaから
正直、純粋ロック少年だった頃は、このバンドの良さが分かりませんでした。プログレを聴き出して、FUSIONからJAZZに遡るという聴き方をしているなかで、ふと聴いたらとても良かった という感じです。
で、この曲の何が好きかというと、リズム隊とギターソロです。特にこの跳ねたベース。途中スラップもやっていますが、まずロックでスラップは新鮮だったのと、その音がスラップ特有のベキベキしてなくて、モコモコ(?)した感じが、何とも言えず格好いい。
さらにギターソロ。これも最初聴いたときは「何?この変なソロ」でしたが、ある知り合いのギターリストが凄いと言っていて、聴けば聴くほど凄さが分かりました。ある本によると、ここのソロはいろいろなギターリストで何度も録り直したそうですね。しかもこのソロは尊敬するジェイ・グレイドン御大だったという。
ロックは爆音で聴くだけのものではないことを教えてくれたアルバムです。
アルバムタイトル曲のSteve Gaddも凄まじいし。
86.Burn:Deep Purple (1974)
アルバム Burnから
このバンドもメンバーチェンジや解散、再結成を繰り返していますが、このアルバムはいわゆる第3期 最初のアルバムです。
第2期はイアン・ギランというハイトーンの強力なボーカリストがいましたが、脱退してしまうということで、一体どうなってしまうんだろうとドキドキしながらこのアルバムに針を落とした(古! でも最近復活してますね)ら、ハスキーだけど格好いい新ボーカリスト デイヴィッド・カヴァーデールの声が聞こえてきて、思わずガッツポーズをした記憶があります。
そしてビックリしたのは「バーーーン」のところ、なんとハモっている!! いままでのパープルではあり得なかったので、とてもビックリしました。調べたら新しいベーシスト(グレン・ヒューズ」が歌っているとのこと。なんか幅が広がった感じがしました。
考えてみると、リッチーって優れたロックボーカリストを見つけてくるのが上手いですよね。この後もレインボーで、ロニー・ジェームス・ディオ等々、優れたボーカリストを入れているし。
曲も、切迫感があるギターリフもいいし、リッチーやジョン・ロードのバッハ的なソロもあるし、文句なしです。
以下は伝説のカルフォルニア・ジャムでのライブです。
85.We Are The Champions:Queen(1977)
アルバム News of the Worldから
それまでのクィーンといえば、フレディが中心になったオペラ風な曲か、ブライアンを中心ににしたギター主体のハードロック系か ほとんどがどちらかのパターンだったと思いますが、この曲で一段脱皮したと思っています。
Bohemian Rhapsodyのようなぶっ飛んだ曲をだし、それがヒットしてしまうと、どんどんその道の深みにはまっていってもおかしくないと思います。一時ちょっと迷っている感じもありました。
でもこの曲をだしました。フレディの歌唱力にかけて、ギターソロも、派手なコーラスもありません。曲の長さもほとんど3分。でもこの曲がいいです。素直にフレディの歌に酔いしれてしまいます。
それにしても、「俺たちは世界一だ」なんて拳を振り上げて歌う姿が様になるひとなんて、あと誰がいるでしょう?カリスマ性って定義が難しいですが、私的にはフレディがカリスマ性ナンバーワンです。
1985年のlive aidで、なんの飾り毛もない格好でこの曲を歌う姿は、今でも鳥肌が立ちます。
Queen - We Are the Champions (Live Aid, Wembley Stadium, 1985)
84.C調言葉に御用心:サザンオールスターズ (1979)
アルバム タイニイ・バブルスより
- アーティスト: サザンオールスターズ
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2008/12/03
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アルバムは1980年ですが、この曲がシングルカットされたのは1979年でした(^^)
以前のブログで、日本のロックの走りは吉田拓郎とサディスティック・ミカ・バンドだと、かなり個人的な見解を書きましたが、始動した日本のロックを大幅に発展させたのがこのバンド というか桑田佳祐だと思っています。
勝手にシンドバッドが発売された当時、残念ながら私は曲の革新性が理解できず、コミックバンドだと思っており、いとしのエリーも誰か優れた作家が裏で書いだだろう 位に思っていました。
しかし、この曲を聴いたときに、うわっ このバンドというかこの人は凄いと思いました。こんなメロディーは今まで洋楽も含めて聴いたことないし、それ以上に凄まじのはその歌詞。勝手にシンドバッドの時は単なるメチャクチャな歌詞だと不覚にも思ってしまいましたが、ロックのリズムに日本語をカッコよく乗せており、なおかつ言っていることも雰囲気として理解できました。今では誰も言いませんが、私が若かった頃は、「日本語はロックにできるか?」とか本気で議論されてました。日本語ロックの創始者もいろいろ言われていましたが、1人挙げるとすれば私はこの人だと思っています。
いろいろ革新的なことをしていながら、この曲も表面的には不埒感覚を前面に押し出しており、今聴くとまさにプロの仕事だなと思います。今年40周年というとで、先日放送していたNHKのライブもすばらしかった。是非これからも不埒感を維持して頂きたいと思います。
83.21st Century Schizoid Man:King Crimson(1969)
King Crimsonデビュー・アルバムの一曲目。
In the Court of the Crimson King
- アーティスト: King Crimson
- 出版社/メーカー: Discipline Us
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聴いた初回から、頭を殴られたような衝撃を受けたRockの曲がいくつかあります。私の場合、BeatlesのA Day in the LifeやBeach Boysのいくつかの曲と、そしてこの曲です。
ジャケットのインパクトもSgt.と競っていますが、一曲目にこれがくるとホント 参りますね。
スタート、なんか得体の知れない音が小さい音量で入っているので、なんだろう と耳を澄ましていると、あの有名・重厚なリフです。あまりの重さに押し潰されそうですが、そこにドラムが3連で入ってきて、初めて接した耳はすでにパラノイア状態。
畳み掛けるように、ファズがかかってまさに気が触れたようなボーカルと、4分で不気味にコードを刻むギター。なんじゃこれは!
リフ→歌→リフのあと、新たなリフ。リズム ジャズっぽいですが、ロック少年はこんはリズム聴いたことありません。さらにそこにギターソロ。なんじゃこれは!! ペンタトニックしか知らない耳には、メチャクチャ弾いているようにしか聴こえない。その後には、両耳別々にへんな音(sax)のソロ。
そして極め付けは変拍子のユニゾン。Yesとかで変拍子はちょっとは聴いていたが、もうこの辺で初めての耳はついていけなくなりますが、でも意識はどんどん音楽に入ろうとしていく。
そして狂気のエンディング。この衝撃度もA Day in the Lifeレベル。
ひょっとしてロバート・フィリップ、Beatlesを超えてやろうと、この曲つくったのかしら。
82.Tangled Up in Blue:Bob Dylan (1975)
アルバム Blood on the Tracksから
60年代を突っ走ったディランが事故で一旦引っ込み、70年代に入って大復活を遂げたアルバムです。
この曲はアルバムの一曲目に入っているのですが、今でも「アルバムのスタート」という感じで聴いてしまいます。割と大人しめの生ギターから、ディランがこれもゆっくりと語り出すように歌いだします。
しかしこの曲が素晴らしいのは、こんな大人しいスタートだったことを全く忘れてしまうほど、ディランがボーカルだけでバンドを引っ張り、どんどん盛り上がっていくことです。普通はサビとか、間奏とかを挟んで煽っていくものですが、一切ありません。まあ ディランの王道なんですが、これって強力なボーカル力があってこそですね。
しかも、歌詞は視点がいろいろ変わって時間軸がよく分からない、(それが「ブルーにこんがらがって」なのかもしれませんが)、でも聴き終わったあとは、よく言われるようにまるでいい映画を見終わったような気分。
この、ボーカルがバンドを引っ張っていく感じって、未だに唯一無二だと個人的に思います。